大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和38(あ)2436 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人大塚今比古の上告趣意第一点は、事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条

の上告理由に当らない。

同第二点は、単なる法令違反の主張であつて、上告適法の理由とならない。(の

みならず原審の認定した事実によれば、被告人は、Aとの間に現実に売買の事実が

ないのに拘らず、売買契約が成立した旨虚偽の証書を作成して原判示所為に出たも

のであるというのであるから、たとえ本件建物の真実の所有者が被告人であり、A

が将来その登記名義を被告人名義に変更することを予め諒解していたとしても、刑

法一五七条一項の罪の成立を免れないと解すべきである〔昭和三一年(あ)第二四

一六号同三五年一月一一日第二小法廷決定、刑集一四巻一号一頁、大正五年(れ)

第一七五三号同六年一〇月一日大審院判決、刑録二三輯一〇三四頁参照〕。)

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条一項本文により裁判官全員一致

の意見で主文のとおり決定する。

昭和三九年六月二日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 横 田 正 俊

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 田 中 二 郎

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